ビジネスでの連絡手段の１つである電話回線には、通信技術の進歩により、以前からの固定回線に加え、携帯回線やIP回線、アプリ電話など、多くの選択肢が出てきました。起業後や個人事業主として事業を進める際には、コスト面と社会的信頼面の両面を考慮して、電話回線を賢く選ぶことが必要です。 電話回線を選択する際には、事業を進める上で有益になることを基準に選びたいものです。携帯回線やIP回線など安価な料金体系で提供される通信回線も多くなってきましたが、起業家や個人事業主にお勧めしたいのは、やはり社会的信頼性が高い固定回線を利用することです。
起業家や個人事業主にとっての電話回線
電話はお客様や取引先との連絡手段として必須ですし、通信販売やECサイト事業を始める際には特定商取引法に基づいて表記することが求められることから、起業家や個人事業主のビジネスには欠かせないものと言えます。
ビジネスを円滑に進めるには、個人用と仕事用の電話で番号を分けた方が情報管理の面などでメリットが大きいと言えます。ビジネスをスタートする際に準備する場合には、固定電話、携帯電話、IP電話などから、業務内容や通話の頻度、コスト面などを考慮して選択することになります。
IP電話は料金が安い点が大きなメリットとして挙げられます。携帯電話は移動時にも通話できるなどの利便性が高く、IP電話に比べると通話品質が保たれます。固定回線は他の回線よりも導入コストはかかりますが、会社の電話番号として名刺などに表記した際に、携帯電話やIP電話の番号と比べて、お客様に取引先としての安心感を与えることができます。
ビジネスを進める上でお勧めしたい「固定回線」
固定回線の社会的信頼性が高いことは、金融機関などから融資を受ける際にも分かります。住宅ローンや教育ローン、自動車ローンなどの融資を受ける際には、申込者の信用性が必要ですが、その信用性に対する判断材料の1つとして固定回線の有無があります。
携帯回線は簡単に番号を変えることができ、契約解除も比較的容易です。支払いが滞ってしまった場合、融資会社は携帯回線ですと、融資先の所在を特定できないリスクを抱えることになります。 しかし、固定回線は番号を簡単に変えられなれず、住所の特定もしやすくなります。そのため、融資会社ではリスクが低く、連絡も確実に取れる固定回線を重視しているのです。
これはビジネスでの取引でも同様です。初めて取り引きを行う相手の連絡先が携帯電話の番号のみだったりすると、どうしても信頼性に欠けると判断され、大手企業などでは特に新規取引を行う相手から除外されてしまうことも起こりがちです。事業運営体として、固定電話の番号を表示することは、社会的な信頼を得る第一歩と言えます。
通話品質が与えるストレスの危険性
電話を利用する際に、通話品質も重要なポイントとなります。通話品質が悪いとお客様や取引先の話を正確に聞き取ることができず、聞き返すことが増えてしまい、通話相手に大きなストレスを与えることになり、結果として、クレームに繋がってしまうこともあります。最悪のケースでは、固定回線を持たない会社や個人事業主として軽んじられ、取引先としての信用を失うことになるかもしれません。
携帯電話は、どこでも通話できる利便性が高く、欠かせない通信手段と言えますが、通話品質の面では固定回線の方が優れていますので、ビジネスでの通信手段としては、前述の社会的信頼性と合わせて、固定電話と携帯電話などの回線を上手く併用していくことが重要です。
起業家や個人事業主には、できるだけ安価な方法で固定回線を準備した上で、ビジネス用の携帯電話と併用する組み合わせをお勧めします。これにより、コスト面と社会的信頼性、通話品質の3つのポイントをすべてカバーすることが可能となります。
